日曜スペシャル
最後の最後のザ・ピーナッツ
1975年5月25日放送日本テレビ系

ザ・ピーナッツの芸能界における足跡をたどる。
双子というスタイルと、優れた歌唱力が、二人の地位を長く支えてきた。
そして今、伊藤姉妹は花嫁修行に、新商売の計画に精を出している_________。
大阪、名古屋、東京で開かれた『ザ・ピーナッツさよなら公演』の最終日をテレビ初公開。
また、かつてのヒット番組『シャボン玉ホリデー』をVTRで再生し思い出話をすると同時に
クレイジー・キャッツ、中尾ミエらの参加でコントの再現もする。


   『内容』

  • 涙のさよなら公演
  • その後のふたり

★以上は当日の新聞記事からのものですが、アオキ様から多分この番組だろうと思われる大変貴重な録音テープを送っていただきました。
以下その内容です。


【宮川先生の解説】
ザ・ピーナッツの音楽についての談義を行なっていますが、誰とどういう話しをしているのかよくわかりませんでした。
【シャボン玉ホリデーのコント再現】
クレイジー・キャッツ、ザ・ピーナッツ、中尾ミエ、なべおさみ、小松政夫らによるシャボン玉ホリデーのコントの再現です。
出演者や話しの内容からすると、もしかしたらさよなら公演で演じられたものかもしれません。
病床の父親ハナ肇の医療費を出すため月子(ユミ)が「タニヤマプロダクション」から大金を支度金としてもらい歌手になる契約をします。
日出子(エミ)も給料の前借りをして医療費に充てようとしていました。
そのことを父親にいおうとしますが、なかなか言い出せません。
そんな中、いろんな人(中尾ミエ、谷啓、小松政夫など)が現れてはやし立てます。
ついに父の知るところとなり、父は自分は一人でも大丈夫だから東京へ行けといい、死んだ母親との想い出話と共に「赤とんぼ」を歌い出します。
その歌を三人で歌っているうちに二人の娘は東京に行くことを止めずっと一緒にいると約束します。
東京行きの切符を破り三人でしんみりしている所へ車掌の植木等が現れ、なんでこんな格好しているのかなぁと例によって一人盛り上がり「お呼びでない?こりゃまた失礼しました」でエンド。
「スター・ダスト」を歌うピーナッツにハナ肇が16年間の思いのすべてを込めた言葉を二人に送り、最後に二人から肘鉄をくらう場面では「来た来た、久しぶりに」と感慨深げな声が聞こえます。
そして中尾ミエ他の出演者から「16年間ご苦労様」の言葉がかけられます。
【インタビュー】
多分テレビ局の人だと思いますが、すぎやまこういち氏、植木等などにザ・ピーナッツの音楽性、引退しての今の気持ちを聞いています。
そして一番の聞き所は両親へのインタビューです。

父親「長い間芸能界で暮らさせていただいて、みなさんのおかげでこれまでやってこれてありがたいと思います。また少し寂しい気もいたします。」

母親「この間、最後のポスターをもらってきて居間へ掛けてくださったときに初めて泣きました。女の子だからいやめるかもわからないという気持ちはずっとありましたけど、いよいよ最後なんだと思うと台所に行って泣きました。」

地元名古屋で、デビュー前の二人を知る人達にも当時のことを聞いていました。
当時、お姉さん(日出ちゃん)は宝塚に入りたかったらしいけど、背が低いから無理だよと言われていたことなど。
【どこかの会場でのザ・ヒット・パレード・メドレー】
「モニュメント・ザ・ピーナッツ・ラスト・ライヴ」にも収録されているメドレーですが、その時の物ではないようです。
メドレーの終了後の四人の会話も少し違います。
中尾「いやー、うまくいったわねーとっても!」
ピーナッツ「どうもありがとう」
中尾「今度は4人で再結成しましょうよ」
伊東「そうよねー」
ピーナッツ「その分、あたし達の分までこれからがんばってください」
中尾・伊東「お疲れ様でした」
ピーナッツ「ありがとう」
またその後「イエスタデイ」も歌っていました。

この音源をテレビで流していたということは、当然映像もあるはずで最後のステージの映像もビデオ化して欲しいと思います。
【井本さんへのインタビュー】
ピーナッツがデビューして少ししてから付き人になった井本さんという方のインタビュー。

井本さんはいつの頃からピーナッツとは
「15年くらいでしょうか」
ピーナッツのどこが好きでしたか
「歌が好きだった。上手かった。」
ピーナッツの二人のうちどちらが好きでしたか
「どちらが好きということはなかった」
15年大変だったと思いますが、これで終わっちゃったらこれからどうしますか
「4月いっぱいはピーナッツさんの自宅に、その後はわからない。」

音だけで映像がないにせよ、ザ・ピーナッツの引退時の様子がよくわかり、ピーナッツの周りの緊張感なども伝わってきてつくづく見逃したことが悔やまれます。
特にご両親の言葉は胸に迫るものがあります。
「・・・やはり女の子だからいつかはやめる日がくると思っていた」というお母さんの言葉には、ぐっときました。
この頃は結婚イコール引退という時代だったのでしょうか。
今なら、ずっと独身でも全然おかしくないし、結婚しても続けている人はたくさんいるし。
いずれにしても女性の結婚と仕事との両立を考えさせられたピーナッツの引退です。
・・・・・・・
この時代に家庭用ビデオを持っている人はきっといないでしょうねぇ。
せめて最後のステージの様子だけでもビデオにならないかしら。
キングレコード様。


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