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政治・社会をゆるがした社会風刺番組「日曜娯楽版」から
我国最初のCMソング「僕はアマチュアカメラマン」まで


昭和の“ロアリング20S”が生んだ日本初の
「マスコミ界の風雲児」
三木鶏郎集大成
20JAL-3042〜7
開祖・冗談電波発信人
三木鶏郎集大成
 日本人の誰でも一度は耳にしたことがある音楽を作った“三木鶏郎”氏の集大成です。昭和20年代から30年代にかけての作品が大半なので、録音状態も悪いものが多いですが、日本の放送界・音楽界において、とかく忘れられがちな三木鶏郎氏を取り上げた全集として大変貴重なものだと思います。
 この全集は三木鶏郎氏が個人的に所有していたテープをもとに作られたもので、当時は貴重品だったテープを節約するために録音幅も半分にしたり、長い年月を経たために劣化も相当進み、決して良い状態ではないということでした。が、それ以上にその内容はユーモアとブラックに満ちていて録音状態がどうとかいう問題を超えています。こういう形で世に出て我々一般人が聴くことができることは大変な喜びと財産と思います。まさに永久保存盤ですね。

発売   1986年4月25日   徳間ジャパン

なお1994年にこの全集とほとんど同じ内容のCD全集(5枚組)が日本コロムビアから発売されています。

《三木鶏郎氏のコメント》
 これはまさに生涯の「夢」の再現である、と感動しています。自らの生きている内にいわば自分の全集とも言えるアルバムが出版されるなんて----------。
 ナマのラジオ放送なるものはOn Airが終わったトタンに文字どおり空中に雲散霧消し、なんら痕跡を残しません。それをテープ録音が開発実用化されて以来自分の放送を、自家用に録音し、密かに死蔵していたものが、この度図らずも日の目を見るに至りました。

 そもそものキッカケは彩帆(サイパン)で偶然出会ったでんでん虫博士井口昌三氏が、ナンシー梅木の昔の録音が欲しいばかりに、私の蔵の中の死蔵のテープの山に分け入ったことです。半世紀近い昔の化石を発掘する考古学者にも似た、彼の驚くべき執念でテープは試聴され整理され分類され編集され再録された。この不屈の活躍なくしてはこのアルバムは存在し得なかったと言って良い。
 その間、嬉しいことに昔懐かしき連中(別掲)がボランティアで「刊行会」を組織し、旗を揚げ、起爆剤の仕掛け人となってくれた。所が山積する材料の中から何を選択するとか著作権隣接権をどうするとか、多士才々熱意の余り各自自説を主張して譲らず、あたかも船頭多くして船が山に上がったみたいな恰好で一頓挫。この座礁膠着にTBSラジオ沢田春夫氏紹介の救助艇谷川氏が見事に船を離礁させ航路を彼岸に導いてくれた次第。
 此々に経過を抄述して、ご厚意を賜わった各方面の皆々様に厚く御礼申し上げます。

 現在、私は彩帆の透き通る碧の海辺で澄み切った青空を眺め「糖尿を生き抜こう!」とパロりながら悠々自適と迄は行きませんが、先月72才の誕生日を迎えました。短命と言われる糖尿人としては平均寿命にあと一歩、長生きの部に近づいた訳です。この度のアルバム刊行が幸い「長生きして居て良かった!」という素敵な結果になれば嬉しいのですが、うっかりすると「長生きすれば恥多し」になるのではないかと密かに危惧もしています。
           1986年2月12日・彩帆にて      三木鶏郎  


収録内容
第一部・冗談音楽傑作選
レコード〔1〕
NHK日曜娯楽版より
第1面(昭和26年9月放送)
  • 「六年たてば六つになる」
  • 「冗談音楽」
第2面(昭和27年6月放送)
  • 「神々の黄昏」
  • 「冗談音楽」
 
レコード〔2〕
NHKユーモア劇場より
第1面(昭和29年4月放送)
  • 「水素爆弾と成層圏気流」
  • 「冗談音楽」
第2面(昭和29年6月放送)
  • 「さよなら冗談音楽」
レコード〔3〕
文化放送
みんなでやろう冗談音楽より
第1面(昭和29年8月放送)
  • 「冗談音楽復活祭」
  • 「田舎のバス」
第2面(昭和29年12月放送)
  • 「冗談音楽大団円」
  • 「補遺曲集・冗談コンサート」
第二部・音楽作品傑作選
レコード〔4〕

第1面・初期音楽作品
  1. 僕は特急の機関士で(三木鶏郎・丹下キヨ子他)
  2. 南の風が消えちゃった(三木鶏郎)
  3. 夢を見た(楠トシエ)
  4. フラフラ節(三木鶏郎)
  5. 涙はどんな色でしょか(灰田勝彦・岸井明)
  6. 東京ランデブー(三木鶏郎)
  7. 夏が来たら(楠トシエ)
  8. ICE CANDY(ナンシー・梅木)
  9. ビル・ブルース(丹下キヨ子)
  10. 秋はセンチメンタル(ダーク・ダックス)
  11. 役人は昔懐かし(ダーク・ダックス)
  12. 僕は特急の機関士で(青山ミチ)
第2面・初期音楽作品
  1. 毒消しゃいらんかね(楠トシエ)
  2. アラまた雨(織井茂子)
  3. 祭提灯(榎本美佐江)
  4. 泣きたいような(ナンシー・梅木)
  5. 学生は昔懐かし(三木鶏郎)
  6. 僕はサラリーマン(ホープさん)(三木鶏郎)
  7. 兵隊屋敷に日が落ちて(フラフラ節)(三木鶏郎)
  8. 南の風が消えちゃった(三木鶏郎)
  9. 涙はどんな色でしょか(織井茂子)
  10. 夜汽車(ブギウギ列車)(楠トシエ)
  11. バナナ・リズム(織井茂子)
  12. センチメンタル台風(楠トシエ)
  13. ピー子・ポン太郎世界巡り(古賀さと子)
  14. エスキモーの歌(古賀さと子)
  15. 仲良し歌日記(古賀さと子)
  16. 秋はセンチメンタル(ナンシー・梅木)
  17. オンド盆ダンス(榎本美佐江)
  18. 僕は特急の機関士で(三木鶏郎)
レコード〔5〕

第1面・中期音楽作品
  1. 毒消しゃいらんかね(宮城まり子)
  2. 祭提灯(榎本美佐江・羽山和男)
  3. まつり(楠トシエ)
  4. くるみひとつを(楠トシエ)(朗読・中村メイコ)
  5. 雪のワルツ(楠トシエ)
  6. バナナ・リズム(丹下キヨ子)
  7. ココナツ・ルンバ(楠トシエ)
  8. 風速50米(フランキー堺)
  9. これが自由というものか(榎本健一)
  10. 別れ来る(榎本健一)
  11. 武器ウギ(榎本健一)
  12. サン・サン・サン(榎本健一)
  13. ゆらりろの歌(ダーク・ダックス)
  14. つい春風にさそわれて(ダーク・ダックス)
  15. 田舎のバス(アカペラ)(ダーク・ダックス)
第2面・CM傑作選
  1. 僕はアマチュアカメラマン(灰田勝彦)
  2. ワ・ワ・ワ・輪が三つ(コーラス)
  3. 明るいナショナル(三木鶏郎合唱団)
  4. ポポン・ポポン(千秋恵子)
  5. カネボー毛糸(楠トシエ)
  6. キリン・キリン(ダーク・ダックス)
  7. トンボ鉛筆(楠トシエ)
  8. ジンジン仁丹(ダーク・ダックス)
  9. くしゃみ3回ルル3錠(伴くみ子)
  10. ふんわりふわふわハマフォーム(楠トシエ)
  11. サントリーの天気予報(演奏のみ)
  12. 淀屋橋から三条へ・京阪特急(楠トシエ)
  13. グリコ・アーモンド・チョコレート(デューク・エイセス)
  14. アサヒビールは貴方のビール(ボニー・ジャックス)
  15. 三菱スーパーガソリン(ザ・ピーナッツ)
  16. My,my,my,my,MY-LUCK(丸山清子)
  17. 森永インスタント・コーヒー(丸山清子)
  18. 森永ディズニーガム(ザ・ピーナッツ)
  19. 小田急ピポーの電車(ザ・ピーナッツ)
  20. 船橋ヘルスセンター(楠トシエ)
  21. グリコ・ワンタッチ・カレー辛口・出た(コーラス)
  22. アスパラで生き抜こう!(弘田三枝子)
  23. 白いアンネのワルツ(Voce Angelica)
  24. うちのテレビにゃ色が無い(榎本健一)
レコード〔6〕

第1面・後期音楽作品
  1. ポカン・ポカン(二人の四季)(ザ・ピーナッツ)
  2. ミュージカルかぐや姫より
    • 吟遊詩人の歌(河井坊茶)
    • 竹の林に月が出て(雪村いづみ)
    • 龍の珠・難破船(フランキー堺)
    • 月が呼んでいる(雪村いづみ)
    • 終曲-かぐや姫・天に昇る
  3. 雪女(ダーク・ダックス)
  4. パピーの子守歌(岸洋子)
  5. ポコタの花(ザ・ピーナッツ)
第2面・TV主題歌・童謡・舞台作品選
  1. 鉄人28号(デューク・エイセス)
  2. ジャングル大帝(デューク・エイセス)
  3. 空飛ぶSONY(コーラス)
  4. 走れFURY(雪村いづみ)
  5. うちのママは世界一(楠トシエ)
  6. パパは何でも知っている(インストルメンタル)
  7. ちょっと来てママ(古賀さと子・ボニー・ジャックス)
  8. スター千一夜(パッピービーンズ&ボーカルショップ)
  9. トムとジェリー(コーラス)
  10. てんてん娘(宮城まり子)
  11. 耳なが野兎(伴くみ子)
  12. こけしのちびっこ(古賀さと子)
  13. 飯沢匡作 東宝ミュージカル「なきべそ天使」挿入歌
    一人のスリの歌(高英男)


 この全集の中でザ・ピーナッツはオリジナル歌謡曲2曲「ポカン・ポカン(二人の四季)」と「ポコタの花」コマーシャル・ソング3曲「三菱スーパーガソリン」「森永ディズニーガム」「小田急ピポーの電車」を歌っています。いずれも昭和35.36年頃の録音でしょうか。
 「ポカン・ポカン」は副題が「二人の四季」と示すとおり、歌詞が4番まであり、四季の恋人のことを歌ったのんびりとした歌です。
昭和41年には梓みちよがリメイクして歌いましたが、この時は、曲が長すぎるのか3番の秋のことを歌ったものが削られてしまいました。曲調もピーナッツのものとはずいぶん違い、ハワイアン調なものになっていました。どちらもそれぞれの持ち味があり良いと思います。「ポコタの花」はこの当時ピーナッツがよく歌っていたラテン調の軽快な歌に似ていて、とても良い歌です。
シングルで出しても良かったのではないかと思える曲です。あらためて三木氏の才能に驚かせられます。

 テレビ主題歌では「トムとジェリー」「パピーの子守歌」「鉄人28号」「ジャングル大帝」などがありますが、「トムとジェリー」は外国のテレビ番組だったので、あえて日本語の主題歌を作ったのでしょうか。確かに英語で「♪Tom&Jerry show〜 」というより「トムとジェリー、なかよくけんかしな」のほうがピッタリきますよね。


 コマーシャルソングはここに入っているのはほんの一部にしかすぎません。きっと選曲に苦労したと思われます。長年定番だった「明るいナショナル」とか「ワ・ワ・ワ・輪が三つ」など懐かしいですね。また近年復活した「くしゃみ3回ルル3錠」は、当時このコピーを使ってはいけないということらしく、放送禁止になったようでした。
ミコちゃんの「アスパラで生き抜こう」も医薬品の宣伝の法律(むずかしいことはよくわかりませんが)かなにかにひっかかって、「〜やりぬこう」に変更されたので、いくつかの放送パターンがあったみたいです。そのいろんなバージョンの多くが「弘田三枝子・これくしょん〜マイ・メモリィ」という6枚組CDボックスにも収録されました。
ザ・ピーナッツのものもここらでまとめてCD化にならないものかと思うのですがね・・・。


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