EB-7075 <45回転・モノラル盤>
A面 ふりむかないで
  • 作詩   岩谷時子
  • 作曲   宮川 泰
  • 編曲   宮川 泰
  • 演奏   シックス・ジョーズ ウィズ ストリングス
B面 アテネの恋唄(Addio/Adios My Love)
  • 訳詩   岩谷時子
  • 作曲   Manos Hajidakis
  • 編曲   宮川  泰
  • 演奏   シックス・ジョーズ

ふりむかないで

世間的にはザ・ピーナッツ初のオリジナルヒットソングと言うことになっていますが、私にとっての“ふりむかないで”は、そういう形容詞はどうでもよく、この歌は私がザ・ピーナッツの熱烈なファンになったきっかけ・思い出の曲です。
今でもザ・ピーナッツの歌で一番好きな曲と聞かれたら“ふりむかないで”と答えるくらいに大好きです。
ちなみに私の携帯電話の着信音は自分で手入力した“ふりむかないで”のイントロ部分です。
私の携帯はただ通話するだけの契約なので、メールとか着メロのダウンロード機能とか携帯サイトを見るなどはできないのです。

さて、本題。
今までにも事ある毎に書いてきていますが、ザ・ピーナッツのことを漠然と好きになったのは“恋のフーガ”の頃からです。
それでもレコードを買うとかショーを見に行くとかそういうことにはまだ幼すぎて、ただテレビで時折見るザ・ピーナッツをなんとなく“いいなあ”と思ってるだけでした。
小学6年生の頃から自分の嗜好がはっきりしてきて、好きな歌手のレコードを買って聴きたいと思うようになり、初めて買ったピーナッツのレコードはLP“世界の女たち”でした。続いてすぐに“ザ・ピーナッツ・ベスト・アルバム”も買い、こちらはピーナッツのデビュー曲から当時の最新ヒットまでほぼ網羅されていたのでこちらも本当によく聴きました。
ただ安物の電蓄で聴いていたので迫力ある音には程遠かったのですが・・・。
そして運命の日がやってきました。
親戚の家にナショナルのすごいステレオが入ったと言うことを聞きいて、いてもたってもいられずレコード持参でステレオを聴きに行きました。
“可愛い花”から順に聞こえてくる音は電蓄で聴いたそれとは確かに違うものの特別感動するものではなかったですね。
そしてしばらくして聞こえてきたのが運命の“ふりむかないで”
前奏が流れてきた瞬間まさに体に電気が流れたかのような衝撃が走り、ピーナッツのそれぞれの声が左右のスピーカーから別々に♪イェー イエイエイエイエ〜 と聴こえて来ると、こんなすごい曲だったの?!というほど興奮しました!
ステレオってすごい!
ほんの少し離れた目の前でピーナッツの二人が歌っているかのような臨場感!

もう繰り返し繰り返し“ふりむかないで”ばっかり聴きました。
当時はテープに録音して聴くという術は持っていなかったので、ここでしか聴けなかったのです。
あぁ〜ステレオが欲しい、ステレオが欲しい・・・当時私の一番の願いでした。
レコードを繰り返し聴いていたので頭の中には最初から最後まで全部入ってて、ソラでも歌えるようになりました。

時折ピーナッツがテレビで歌う“ふりむかないで”を聴くと、何か少し違う、と思ったのも間もなくの事でした。
私にとってこの歌の一番大事な部分♪イェー イエイエイエイエ〜 がないんです。
もう一つ、高音が♪ふりむかなっはははいいで〜 と来て 低音が♪はっはははははは〜 と続くところもテレビだと違う歌い方でした。
??なんでレコードの様に歌わないんだろう。
ピーナッツの歌に関しては引退するまでレコードの通りに歌ったのを聞いたことがありません。
今も謎ですがどなたかどうしてだかご存知ありませんか?

そしてザ・ピーナッツ引退後8年経ってまさにこういうのが聴きたかったと言う素晴らしいカバーに出会いました。
と言ってもレコードではなく“ミュージック・フェア83”と言う番組です。
このときの企画が“ザ・ピーナッツ特集”で、今ではお馴染みの伊東ゆかり×中尾ミエのコンビ、大橋純子×岩崎宏美のコンビ、そして松田聖子×河合奈保子の3組によるザ・ピーナッツの歌特集で宮川先生もご出演されています。
それぞれまあ良かったのですがなんと言っても松田・河合コンビの“ふりむかないで”が私がずっと悶々としていたレコードのように歌って欲しいと言う思いを叶えてくれたのです。
当時アイドルとして全盛期だった二人があえて難しい歌に挑戦したこの企画は“ミュージック・フェア”ならではだなあと思ったものです。
精一杯やってると言う感は多少あるものの二人とも可愛らしかったし、よく声が出ていてきちんと稽古しないとあれだけの歌は歌えなかったと思います。
この二人による“ふりむかないで”が私が今まで聴いたピーナッツのカバーの最高です。
他にはNHKの“ふたりのビッグショー”で坂本冬美×藤あや子の“ふりむかないで”もよかったですね。

私は年齢的に“ふりむかないで”をリアルタイムで見たわけではありませんので当時はどんな風に歌っていたのかすごく興味があったし、何か見られるものは無いか、と探してもいました。
引退記念番組“さようならピーナッツ”では二人が鏡に映ったたという演出で歌っていますが長い間これしか歌っているものはありませんでした。
ホームページを始めてから色々資料を集めていると当時出演していた映画の中で歌っているらしいということも情報として入ってきましたが、テレビでやってくれるわけでもなくやはり悶々とした日々が続いたのですが、ここ数年の間にたくさんの皆さんのご親切でそれらをほぼ全部見ることが出来るようになるとは思いもしませんでした。

●クレージーの花嫁と7人の仲間
●私と私
●夢で逢いましょ

この三本の映画ではカラーの綺麗な映像で“ふりむかないで”を歌ってるとこが見られます。
いやぁ、映画って本当に素晴らしいですね。
いつの日かこれらの映画がDVDとして商品化されることを願っています。


アテネの恋唄

ずっとLPで“ふりむかないで”を聴いてきたのですが、シングル盤はどんなのだったんだろうと言うことにも興味がわいて来て、東京・大阪あたりの中古レコード店に行き始めた昭和57年ごろに東京で見つけました。。
まだ“レコードマップ”のようなものは無く、夜行バスで東京へ行って、朝6時ごろ到着したらまず電話帳で“古本屋”の検索。
(古本屋にはレコードもおいてあるところが多かったのです)
バスや地下鉄で効率よく回れる範囲を決め一日に4、5件回ったかな。
そしてついにある日あるお店で見つけました、シングル盤。
当時4700円くらいしたと思います。
シングル盤一枚にそんなお金出して買うなんて、馬鹿げてるとお思いでしょう。
はい、確かにバカです。(笑)
でもまるで新曲を見つけたような嬉しさで一杯になりました。
思い切って買いました。
・・・家に帰って聴きました。
当時のシングル盤はステレオじゃないのね。。。
ちょっと残念。
(後でわかったことだけど昔は同じレコードでもステレオ盤とモノーラル盤の二種類があった)

B面は何々“アテネの恋唄”?あんまり聞かないタイトルだなあ。
オールディーズもののレコードも割りと買っていたのにこれは一度も聞いたことが無い。
元は誰が歌っていたんだろう、と言ういつもの私の探究心が沸々と(笑)
あれこれ調べたけれど分からずに数年。
時代は昭和から平成に移った頃、亡くなられた黒沢進氏の著書“日本の60年代ロックのすべて”と言う本に出会い、ロカビリーからカバーポップス時代の歌手のディスコグラフィーとオリジナル歌手のリストが載っていたのでとても参考になりました。
で、“アテネの恋唄”は“ジョー・スタッフォード”と言う歌手が歌っていたらしいということが分かり、それから20年近くかけてようやくレコード見つけました。
ジョー・スタッフォードの“テネシー・ワルツ”とか“霧のロンドン・ブリッジ”は知っていましたがこれも歌っていたとは。


“アテネの恋唄”はギリシャの観光映画“憧れの夢の国”の中で使われた曲ということです。
作曲者のマノス・ハジダキスと言う人は有名な“日曜はダメよ”も作った人です。
“憧れの夢の国”と言う映画は日本未公開だったらしいのでどういう映画かを知ってる人はいないかもしれませんが、もし見たことがあるよと言う方がいらしたら是非内容など教えていただけたらと思います。
しかし、そういう映画音楽がどうやってピーナッツのレコードになったのかいきさつを知りたいな。
どちらかと言えばマイナーな、多分誰も取り上げないだろうと思われるような曲だし。
そう思っていたらありました!ザ・ピーナッツ以外にもこれを歌った歌手のレコードが。
高美アリサという人ですが皆さんご存知?
昭和35年にはNHK紅白にも出ていた人です。
なんと“ローマの恋”も歌ってます。

これら2曲とも訳詞は漣健児氏。
高美アリサの“アテネの恋唄”は特別心に残ると言うものはなく聴いてると普通に終わってしまいました。
ただ、このメロディーは今回あらためていろんなバージョンを聴いてるうちにだんだん好きになってきています。
最近テレビ番組などでよく使われている“名曲”と言う言葉を多用するのは自分は好きじゃないんですけど
これは良いメロディーだなあと思います。

↓おまけ。当時の演奏ものレコード。

これは2曲ともコロムビア・シンフォネットの演奏です。

最近インターネットで検索していたら“Vera Lynn”と言う歌手も歌っていて私は1曲だけダウンロードで買って見ました。
楽器の名前がよくわからないんですが、マンドリン?のような音が効果的に入っていてギリシャの風景が浮かんでくるような
軽快な演奏とボーカルで思いがけず良いものを聴いた気がしました。
機会があったらザ・ピーナッツの元歌という意味で皆さんも一度聴いてみてはいかがでしょうか。


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