キング・オリジナル・シングル復刻盤シリーズ
3枚組・1800円
★1983年6月21日と7月21日の2回に分けてオリジナルのシングル3枚組が発売されました。
このチラシに「お待たせしました・・・真打登場!」とあるようにすでにこれ以前に他のレコード会社各社がオリジナルシングル盤の復刻盤を出していたのでした。

★チラシにはすべてのレコードの作詞・作曲・演奏者・発売年が記され、下段には昭和34年から45年までの出来事などが書き記されています。

★先陣を切ったのは東芝で「ザ・復刻盤・シリーズ」として昭和57年にシングルレコード5枚組3000円で6アーティストの作品をリリース。その後第2回目としてその他の歌手もリリースされました。
ビクターも「ザ・ゴールデン・メモリーズ」として3枚組1800円で5アーティストをリリース。
その後日本コロムビアが「オリジナル・シングル復刻盤・青春グラフィティ」と銘打って一挙に15アーティスト(各3枚組・1800円)をリリース。
と各社競って復刻盤を発売しました。そしていよいよキングレコードもこれに参加したというわけです。
最後の登場だけあって細部に渡りオリジナルにこだわり、ジャケット・レーベルはもちろん、レコード盤が入っている紙の袋にまで、当時のデザインを再現していました。
ただ違うのはレコード番号と【MONO】と言う表記が追加されていたことくらい。

★この廃盤ブームというのは、旧☆ピーナッツ・ホリデー☆の「ひとりごと」欄に少し書きましたが、昭和57年頃だったと思うんですけど、テレビの深夜番組で「タモリ倶楽部」というのがあって、その中に「廃盤アワー」という、よく素性のわからない男性がお勧めのレコードを紹介したり、廃盤ベストテンなるものをやっていたコーナーがあって、世の中から忘れられたレコードに再びスポットが当てられていて、とても面白くて真夜中にもかかわらずよく見ていました。
このコーナーで長く1位を続けていたのが平山三紀(現在は“みき”)の「真夏の出来事」でした。
私もこのレコードが欲しくてそれまでも何度かレコード店に行ったのですが、「廃盤になっていて入手不可能です」と言われていて悔しい思いをしていました。レコード盤の【廃盤】というのはどういう経緯でなるんだろうと長年疑問だったんですよね。
初回盤が番号や値段こそ変われどずーっと発売され続けていたのもあったのでレコードと言うのはずっと買える物だと子供のころは思ってました。

で、この“廃盤レコード”なるもの、この番組の影響が多少なりともあったと思います。中古レコード店がクローズアップされ始め、それまではシングルだったら1枚100円〜300円くらいだったのが一挙に1000円以上もするようになり、先の平山三紀のアルバムにいたってはその頃で1万近くもするようになってしまいました。(その後何年かしてまた少し落ち着くんですけど)
それがだんだんと社会的に話題になるようになり、レコード各社も見逃す手はないと思ったんでしょう。
それが「復刻盤」の大量リリースだったと思います。
まあ、高い中古レコードを買うよりは新品の「復刻盤」を買った方が音も良いし、綺麗だし。
・・・でもこの廃盤シリーズは発売当時の物を持っているというマニア心を満足させるものではなかったように思います。
今また逆にこの“復刻盤”自体に価値が出てきているような気も・・・それはないか。

★当時のスポーツ紙にこの話題を取り上げたものがありますので、それを紹介します。
<中日スポーツ・1983年(昭和58年)6月14日付>

懐かしいあの顔この顔 復刻盤ブーム
 
★懐かしい顔が続々よみがえってきた。マイトガイの小林旭、14歳のあどけない山口百恵、無責任男・植木等etc.と、まさに昭和30年代から40年代の”ザ・ヒット・パレード“をタイムトンネルで見るようなにぎやかさ。

中年族にはなつかしい、ヤングたちをこんな若かったのかと驚かせるほどの、20年前の人気歌手たちの復刻盤がレコード各社から登場。

いずれも二度と日の目を見ない廃盤扱いになってしまったヒットソングだが、今ごろなぜ受けるのか、異常ブームをのぞくと________

★深夜放送が引き金 中年族には郷愁よび起こす

 復刻盤ブームをかりたてたのは、都内の十数店の中古レコード店で廃盤になったシングル盤が異常な高値で売れていることが発端だ。
 昭和35年あたりから昭和45年ごろまでのシングル盤がナント三千円から五千円の値段をつけて、飛ぶように売れる。
 当初はマニアックな人気で一時的に終わるかにみられていたが、全盛期のグループ・サウンズものや、ヤング・アイドル歌手のものまでイキ長く売れて、大手レコード会社が無視できなくなった。そこで、古い音源が揃っているシニセレコード会社が、この機とばかりに廃盤のカタログを掘り起こした。

★人気はクレイジー

 東芝EMIが”THE・復刻盤シリーズ“と銘打って各歌手毎にシングル盤五枚セット三千円で発売。今は亡き水原弘をはじめ、ハナ肇とクレイジー・キャッツ、黛ジュン、ザ・ゴールデン・カップス、トワ・エ・モア、ザ・ワイルド・ワンズなど昭和30年から40年にかけてヒットしたシングルをドンと放出。ジャケットも当時のままとあって、今では隔世の感でなつかしい。
 中でも、人気のあるのは、「スーダラ節」「ハイそれまでよ」などのクレイジー・キャッツ。テレビの深夜放送で、彼らの古い映画が放映されたこともレコードにハネ返って、この五月には「ゴマスリ行進曲」「シビレ節」「無責任数え唄」の第二弾が発売された。

 すかさずキングも6月21日にクレイジーとピーナッツのカップリングで「ホンダラ行進曲」「コミックソング集・あんた誰?」を発売。二社で競合するクレイジー、廃盤復刻では大モテの人気。

★オクラ入りライブも

 ”ザ・ゴールデン・メモリーズ・シリーズ“とナウく廃盤を打ち出したビクターが、麻丘めぐみ、吉永小百合、中尾ミエ、いしだあゆみなどを三枚1800円で発売したが、中でも人気を集めたのが「私の彼は左きき」の麻丘。シングルだけではもったいないと、LPを発売したところ、三万枚のヒット。味をしめて、めぐみの引退でオクラ入りしていた唯一のライブ録音「たった一度のリサイタル/アイドル伝説」のLPを新たに出したが、五万枚も売れ、復刻ブームに乗った”麻丘人気“にニンマリ。

★覚えてる?北原、梶

 廃盤なら全ておまかせとばかりに熱を入れているのがコロムビア。シングル、LP、カセットとファンにアピール。
 シングルは三枚組1800円で15セット。小林旭の「ギターを持った渡り鳥」、守屋浩の「僕は泣いちっち」、梶光夫の「青春の城下町」、北原謙二の「若い二人」など、全90曲。LPで「恋すれど廃盤シリーズ・艶夢十二変」。
 さらにカセットテープ「秘蔵盤・青春グラフイティ」「秘蔵盤・歌謡グラフィティ」を発売。
 青春歌謡から演歌まで、3.40年代のヒット曲を網羅。これらが大して宣伝もしないで一万枚以上の売上げとあっては、笑いが止まらない。

★元手いらずの知名度・メーカーはホクホク

 キングとCBSソニーもこの戦線に参入。
 キングが、ザ・ピーナッツ、伊東ゆかり、シャープ・ホークス、梓みちよなどの3.40年代の全盛を誇った”渡辺プロ王国“の人気シンガーで対抗。 
 負けじとCBSソニーが、デビューしたての山口百恵、天地真理、南沙織、キャンディーズなど”アイドルの元祖“を放出。最低二万枚は売れると強気だ。
 この廃盤復刻ブーム、メーカーにとっては、元手がかからず、知名度もあり、ヒットの実績もあって”安全パイ“という読みがある。しかし、廃盤専門店では「今になって復刻盤とはなさけない。メーカーはヒットの実績はなくても、埋もれた名曲を発掘して再発売してもらいたい」(廃盤専門店・新井精太郎社長)という声もある。

<新聞の写真の説明書き>
★右上から
廃盤人気でシングル・LPにと復刻されてモテモテの麻丘めぐみ

★中央
人妻・百恵も再び廃盤復刻でみずみずしく登場

★下
かわゆかった20年前のザ・ピーナッツもレコードで復活

★左
昭和30年から40年にかけてヒットした廃盤が各社から続々復活、ジャケットも当時のままシンプルだ

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