SKW-29〜30
ザ・ピーナッツ/ダブル・デラックス

●ザ・ピーナッツ・ゴールデン・ヒッツ
SIDE 1
  1. 可愛い花
  2. 情熱の花
  3. 心の窓に灯を
  4. 悲しき16才
  5. ふりむかないで
  6. 手編みの靴下
  7. 恋のバカンス
●ザ・ピーナッツ・ノスタルジック・ムード
SIDE 3
  1. 赤とんぼ〜あの町この町〜叱られて
  2. 村祭
  3. 夏は来ぬ
  4. 里の秋
  5. 花かげ
  6. 中国地方の子守唄
SIDE 2
  1. ウナ・セラ・ディ東京
  2. ドミニク
  3. ローマの雨
  4. 恋のフーガ
  5. 男と女の世界
  6. 東京の女
  7. 大阪の女
SIDE 4
  1. ふるさと
  2. この道
  3. 夏の想い出
  4. 浜辺の歌〜浜千鳥〜砂山
  5. 宵待草
  6. さくら貝の歌
編曲 宮川 泰(第1面、 第2面:2,4,6)
東海林修(第2面:1)
服部克久(第2面:3)
クニ河内(第2面:5)
森岡賢一郎(第2面:7)
若松正司(第3面)
一の瀬義孝(第4面)
演奏 オールスターズ・レオン(第3面、4面)

★ザ・ピーナッツの魅力《藤井 肇》
 
歌手生活十周年を記念して発売された『ピーナッツ・ゴールデン・デラックス』(SKK-475〜6)のアルバムにピーナッツ讃を書いてからすでに2年の月日が経ってしまった。その中の写真を眺めても、また今日の人気テレビ・ショウ第500回記念番組『シャボン玉ホリデー』に登場した彼女たちを見ても、同じようなあどけなさが感じられる。歌また然り。どんな新しいヒット曲と取り組んでも、淡々と彼女たちなりに歌いこなしている。ラヴ・バラードにしてもビートをきかせたロック・ナンバーにしても少しの乱れも見せない。いわば「安心してきかれる歌手」なのだ。常日頃、精進努力にはげむ闘士には、多くの後進歌手たちは大いに学ぶべきものがあろう。
 女性デュオで成功を収めた例は、ピーナッツの他にこまどり姉妹もいたが、いつの間にかステージから姿を消してしまった。また外国の例を見ても、3人姉妹「アンドリュース・シスターズ、マクガイア・シスターズ、キング・シスターズ」或いは4人組「レノン・シスターズ、クラーク・シスターズ、或いはザ・シュレルズなど」は多く見受けられるが、女性デュエット・ティームは意外に少ない。ケスラー姉妹くらいのもの、それだけにザ・ピーナッツのコンビは、世界の芸能界から見て極めて貴重な存在なのである。
 ドイツのテレビ出演、またアメリカのエド・サリヴァン・ショウで好評を博したように、機会があれば海外の国際ソング・フェスティバルその他の催物に出演して「日本のピーナッツここにあり」の意気を示してもらいたいものである。
 日本においては依然堅実な人気を保持しているものの、ただあまりにも優等生すぎるのが何かしら物足りない。ハナ肇に「タヌキ」とからかわれて、ニコニコ笑い流すのも良いがもっと味わいのあるお色気を出してもらいたいものだ。
 若いころから見慣れているせいかこれは注文する方がムリかもしれない。しかし永遠の生命をもつ歌手としては、何かしら創意工夫をこらすことが肝要であろう。
 歌に、演技に、踊りに、新しいピーナッツの姿が見られたらと思うのはひいきのひき倒しか。昨年万国博に出演したマレーネ・ディートリッヒの魅力も、是非学びとってもらいたい。そして「世界のデュエット・チーム・ザ・ピーナッツ」の栄誉をいつまでもいつまでも、持ち続けるよう心から切望してやまない。
この2枚組アルバムもキングレコード歌手のシリーズ物として同じタイトルで出ていますが、単に各歌手のベストアルバムにとどまっていなくて、それぞれのアーティストの魅力を引き出そうとする意図が感じられとても好企画なものだったと思います。
ザ・ピーナッツの今回のもので言えば、2枚目の「ザ・ピーナッツ・ノスタルジック・ムード」は絶品です。
いわゆる本職の童謡歌手やクラシック系の方のものではなく、(ザ・ピーナッツ=ポピュラー歌手)の歌う郷愁ムードというものはその名の通り肩肘張らずポピュラー=大衆という本来の姿を持っていると言う点で実に親しみやすく聴きやすい、それでいてどことなく懐かしさと母を思い出させてくれる雰囲気が良いです。
譜面どおりに歌っていかにも上手いでしょと言わんばかりの歌唱とは違います。心がある。
デビュー12年目を向かえ円熟してきた頃の落ち着いた歌声がこの郷愁ムードに実によくあっていると思います。
この「ノスタルジック・ムード」は10枚組CDボックス「ザ・ピーナッツ・ドリーム・ボックス」に入っているのでCDで聴くことができます。ぜひ在庫のあるうちにお求めになって聴いてほしい一枚です。
ただ、4面の1曲目「ふるさと」だけがカットされているので少々残念。
これは歌は入っていなくてピーナッツお二人のナレーションと言うものになってて、これがまたいいんですよ。ピーナッツのナレーションと言うのも珍しいので全曲順番どおりに入れてほしかったですね。

また、このレコードも好評で再販を繰り返しています。
ピーナッツ引退後しばらくはカタログに残っていました。
初回盤では見開き面にカラー写真と藤井肇氏による解説が載っていましたが、再販物にはこの解説が省かれてしまっています。単にカラー写真ページが真ん中に1枚貼り付けてあるだけで、この時期のザ・ピーナッツの位置付けと言うものがわからなくなってしまっていることは残念です。



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