KICS-80001
青春POPS'50〜'60 テネシー・ワルツ  


発売1998年7月24日
01. テネシー・ワルツ 江利チエミ
02. ガイ・イズ・ア・ガイ 江利チエミ
03. カモナ・マイ・ハウス 江利チエミ
04. 裏町のおてんば娘 江利チエミ
05. 町の小さな靴屋さん ペギー葉山
06. ママ・ギター ペギー葉山
07. オー・マイン・パパ ペギー葉山
08. パパはママにイカレてる ザ・ピーナッツ
09. パパはマンボがお好き 江利チエミ
10. マンボ・イタリアーノ ペギー葉山
11. チャチャチャは素晴らしい 江利チエミ
12. 日曜はダメよ 江利チエミ
13. ウスクダラ 江利チエミ
14. バナナ・ボート 浜村美智子
15. 16トン フランク永井
16. 青いカナリヤ 雪村いづみ
17. モッキンバード・ヒル ペギー葉山
18. ケ・セラ・セラ ペギー葉山
19. ドミニク ペギー葉山
20. ラ・ノビア ペギー葉山
※モノラル

★今回は1998年にキングレコードからシリーズで計6枚出た「青春POPS」です。
外国のポピュラーソングをカバーした日本人の歌声を、レコード会社の枠を超えて集めた「ポップス決定版」的なアルバムです。

★カバーポップスの宝庫キングレコードの企画だけに収録されている歌手、曲目はキングレコード所属歌手中心で、「この曲はこの人なんだけどなあ」と言うものもあるにはありますが、日本のポップスの歴史がよくわかり、この時代の歌を聞いてみたい人にはお勧めのシリーズだと思います。値段も1800円とお値打ち。
また一曲毎に丁寧な解説付きで、その曲にまつわるオリジナルとカバーしている日本人の両方を詳しく知ることが出来ます。解説は本庄ちくし氏とスーパーバイザーとしてかまち潤氏のお二人が書いています。

★第一集はやっぱりこの人のこの曲からですね。
「テネシー・ワルツ」、後年テレビなどでこの歌を歌っているチエミさんを見ると、誰かが言った「和風ポップス」と言う言葉が妙に当てはまってまさにこぶしの入ったポップスという感じがしたものです。
この歌には彼女も相当の思い入れがあったようで、5回くらいレコーディングしているらしいです。レコードの録音技術が進歩するたびにやっていたようですが、私自身は一番最初の物が一番好きです。このCDに入っているのはそれではないのでちょっと残念ですが、わりと初期の歌い方に近いものです。一番最初のは14歳の時の録音で、当時はレコードを耳で聞いて音感で覚えたと言うだけに英語の発音も後年のよりも本物?に近い感じで全然「和風」ではないです。練習も地下鉄の最後尾に乗って窓から大声をだして地下鉄の轟音に負けないくらいの声量を出していたと言うエピソードもあるという事です。

「カモナ・マイ・ハウス」もここに入っているのは再録音の物で、デビュー盤だったこの2曲は是非ともオリジナル盤を入れて欲しかったです。

「ガイ・イズ・ア・ガイ」はステレオ版が入っています。彼女のベスト物(レコード、CD)にはほとんどすべてこのステレオバージョンが入っています。確かにこのステレオバージョンは歌声も編曲もオーケストラも全部とても良い出来で当時最先端の録音技術が堪能できる一曲になってはいます。まあこのように再録音でも良いものもあるんですけど、基本的に私はオリジナル録音派です。

彼女の舞台「マイ・フェア・レディ」などは見てませんけど、レコードを聴くとオードリー・ヘプバーンのイライザにもひけをとらないくらいの演技が目に浮かんできます。特に花売り娘時代のイライザをやったらオードリーよりも適役なんじゃないかと思ってしまいますね。ちなみにチエミさんはオードリー・ヘプバーンの映画よりも早くイライザを演じてます。
幸い数年前に昭和38年の紅白で「踊り明かそう」を歌っている姿を見ることが出来ました。面白いと思ったのはその時の衣装で、普通考えるのは「レディ」になってからの綺麗な格好ですよね。
ところが彼女、花売り娘の汚い格好で歌ったんです。すごくバイタリティーあふれる歌と司会で彼女自身、自分のキャラクターをみんなが期待している以上に演技していたのではないかと思ってしまいました。そう言えばオリジナルのイライザをやったジュリー・アンドリュースも自分のステージでイライザの歌を歌うときは汚いショールだかマフラーだかをかぶって「素適じゃないこと」や「ショー・ミー」なんかを歌っています。舞台でイライザを演じた二人が同じような格好が好きと言うのも不思議な感じがします。どちらも「レディ」になってからの写真よりも花売り娘の方のものをよく見ますものね。ここがオードリーのイライザとの決定的な違いかなという気がします。もちろん映画版「マイ・フェア・レディ」は大好きです。

★ここで解説から「パパはママにイカレてる」を転用しておこうと思います。
ジョルジュ・ゲタリーの1960年のヒットで、カテリーナ・ヴァレンテやフランスのイヴェット・ジローなどでも知られるおなじみ作。子供の目から見たほほえましい夫婦愛が歌われ、心なごむ逸品。テレサ・テンが日本デビューに先立ち、68年に北京語バージョンを発表していたようだ。

という事です。
テレサ・テンの北京語バージョンて、「ゴー!ゴー!テレサ」というCDに入っているかと思って持っているCDを見たら、入っていなかった。これは続編も出たのでもしかしたらそちらに入っているかもしれません。(未確認)
この「ゴー!ゴー!テレサ」にはテレサ・テンが日本デビューする前に中国などで発売していた音源を集めたもので、中国語、英語、イタリア語、日本語などをおりまぜで幅広く歌っています。決して“演歌”ではないキュートな歌声が楽しめる一枚で結構好きです。この中には「月影のナポリ」、「情熱の花」、「ある恋の物語」、「キエン・セラ」なども歌っています。もし興味のある方は聴いてみてください。

★さてさて、肝心のピーナッツの「パパはママにイカレてる」ですね。
シングル盤のステレオ盤の2枚目で、もうこれはピーナッツにピッタリの楽しい曲です。ピーナッツ効果とでもいうか、左右のスピーカーからエミさんユミさんの声が独立して聞こえ、伴奏もステレオの効果を生かした立体的な音で、アレンジと共にさあ次はどう来る?と聞いているこっちも期待させてくれる素晴らしいレコードです。もうこの歌声だけで幸せな気分。ちょっとコミカルでメルヘンチックで、可愛いピーナッツのための曲とでも言えるものです。
比較して申し訳ないんですが、同じ頃森山加代子さんも歌っています。ただ、彼女のレコードは編曲と演奏が薄っぺらで、せっかく良い歌声なのにちょっと残念な仕上がりだと思うんです。
やっぱり当時他社に先駆けて最新鋭の設備を整えてくれた会社に感謝!ですね。
ピーナッツはデビュー前にレコード会社各社が争奪戦を繰り広げた事でも、有名だったそうです。よく何度もオーディションを受けて全部落っこちたと言う話を聞きますけど、ピーナッツの場合はそれがなくみんなが自分の所に来て欲しかったと言うのも彼女達の前途を示していて興味深いです。
ピーナッツ獲得に特に熱心だったのが東芝だったといいます。今から思えばキングレコードに入ってよかったなという事ですね。


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